釣れないときの神頼みポイント
このポイントは湾内の丁度中央。
数年前に流し釣りをしていて偶然にイイおもいをしたところ。
風に流され定置網に接近してきたので慌てて引き戻そうとした矢先、竿がひったくられたんですね。
上がってきたのは予想をこえる大ギス。
それからというもの春に夏に秋にと、まるで他のポイントが目に入らなかった。
船を出せば一直線に攻め込んだもの。
自分で言うのも恥ずかしいくらい単純かつシツコイのですな。
でも、まずまずの収穫があるのだから止められない。
今回も、まず大アジのポイントに着いたが、群れが完全に
移動したらしくサッサと諦め、迷わずこのポイントに転げ込
んじゃった次第。
夕暮れ近く、力弱い太陽がヘタヘタと西の山に落ち込もう
とする頃合。
風の向きが変わり、無風になる直前の怪しげな気配。
時折、首筋を生暖かい海風が舐めていくからいやがうえ
にも気持ちが細る。

そうなんだ。
過去の記憶ではいつもそうだった。
この不気味さが漂う気配こそ、大物が息をひそめている
証に違いないのだ。
キス細針9号一本、遊動天びん仕掛け、ハリス1.5号で
1.3m、錘8号の真剣勝負。
水深は17mぐらいか。
シンプルがベストと、好みのマンネリ手抜き仕掛け。
5号負荷の下ろしたて韓国製グラス竿(2、200円)
2.4mを加え、竿2本仕立て。
ポイントより朝焼けに輝く灯台を望みます。
写真は別の日の朝に撮ったものです。
いつもは竿1本であるが、日暮れが短いので2本の短期決戦。
いわゆる宮本武蔵。
暗くなるまでおよそ一時間弱とみた。慌しく仕掛けを降ろした途端、数秒も経たないうちにコンコン。
片方の竿にエサ(石ごかい)を付ける暇なし。
小さな真鯛が口からエサを垂らして元気一杯踊りでよった。嬉しいねえ−。
入れて直ぐというのが何より嬉しい。
針を外してエサをつけ即投入。
この一連の動きに無駄があってはいけない。
なによりもスピ−ドとシャ−プな動きが要求される。
いわゆる華麗な竿さばきというやつ。
日は刻々と容赦なく陰る。だから針をジャ−ジのズボンに
引っ掛けるなんて…なんなんだ。
あっ イテッ!
焦って力一杯抜こうとするもんだから、指に針先が食い込ん
じゃった。

もう、ダメネ。 こんなときは。 なにをやっても。
いつものパタ−ンで鋏でジャ−ジを切り取りのに躊躇なんか
しない。とにかく仕掛けを降ろすごとに即反応。
しかも大アジと真鯛が交互という贅沢さ。
うれしいなあー。
なんだか大声で叫びたくなってくる。
まわりは船も人の気配も一切ない月曜の夕方。
漁港を結ぶ定期船にも客の姿なし。あるのは生簀で暴れま
わる魚の音の騒がしさだけ。

こんなに恍惚の人になっているのに、たった半時間で
シャバにもどらなくちゃいけないとは、なんともはや。
1週間の休暇に一回だけの釣行。
それもわずか半時間の釣りタイム。
これを不満としちゃあ、バチあたりかねえー…。
  大アジに真ダイにキス。
 我家の豪華3点セットが半時間でいただき。



...................