5月(望活性) |
あまりにも天気がイイから、海の散歩をしたくなった。 沖に向かってボートを走らせる。何も考えない。 もちろん釣り仕立てであるが、いつまでも走っていたくなる。 でも走っていては釣りにはならない。 ジットしていなくちゃならない釣りは辛い。それほど陽春の 海は落ち着かないのだ。 輝く水面の彼方にヨットが浮かぶ。風を全身に浴びて気持ち よさそうだ。 釣れないから竿をたたんで、移動の繰り返しである。風になっ て海をさまよう、それでシアワセなのさ。 この季節、海がとても明るい。 キス釣りの遊魚船がのどかに漂い、本格的に賑わう季節に なった。 ところがしかし、小生の生簀はチットも賑わってくれない。 いつまでも寂しい限りである。 遊魚船に近づいて、「釣れますかあ〜?」と聞くと、サッパリだ という。 寂しい思いは自分だけではなかった。でも、この釣りの世界だ けは不思議だ。みんなが釣れてないと聞くと、途端に元気に なってしまう。 突然竿が大きくしなった。リールを巻くのに、いやでも力がこもる。 なんせ、退屈していた遊魚船の観客が一斉に注視するから焦る のだ。 上がってきたのは、な〜んだ、カワハギじゃないか。 カッコつけてたから、バツが悪いったらありゃしない、退散、退散。 だれの目の届かないところまで来て、本来のノンビリモードに。 ところが静寂はいつまでも続かない。今度の竿のしなりはタダご とではない。 竿が立たないのである。 タモを確認して、周囲の視線を確認したけど、だれもいない。 この晴れ姿、バッチリ見て欲しいのに残念。 そして水面に踊り出たのは、なんと、バケモノ。デカエソじゃな いか。 もたついたあげくタモに入れそこなって、海の底へさようなら。 残ったのは、歯型でギザギザに傷ついた中型のキス。 よかった、だれにも見られなくて。 |
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風を受けて帆が膨らみます。 ココロも嬉しさでタンと膨らみます。 | |
一番大きなキス、エソの歯型で傷だらけ。 タコにカワハギにアジ。まるで秋の五目釣りみたい。 春のアジは脂がのってません。 塩焼きにすると、パサパサしておいしくありませんでした。 ああ、こんなのだったらエソを確保しておくのだった。 来る予定だった客人が、一番欲しがっていたのに 残念。 |