ご褒美 | ||
五ヶ所で平日のまとまった休み。 留守の妻は、 「何にもせずに、のんびりしてきなさいよ」 と、温かく送り出してくれた。 ・・・しかし、どうしてか、 生まれつき貧乏性のため、ゆっくり骨休みなんて 小生には出来っこない。 辛いことは先に片付けて、楽しみは後でじっくりと。 なんてことが、ガキのころから身に沁みこんで・・・ どうしょうもないサガの悲しさです。 そういう訳で、楽しみである釣りはいつも後回し。 イヤな用事でも最後にご褒美にありつけると思うとね、 どんなに辛くても頑張れるし。 それに、用事束縛からの解放感に加え、一部始終 見ておられるような神様がいて、ホントにご褒美を くださるような予感がして・・・ ドカ〜ンと大物が釣れるような、そんな予感が。 ・・・だけれど、 こんなに一生懸命に体動かして、汗かいてシンドイ思い したちゅうのに、どうして今回は (今回も) つれないの だろう。 正味3日間の休日、思い返してみると。 一日目は何をしたか。 釣り友のGさんが、ロックガーデンを誉めていたのを 思い出し、さらに完璧をめざしてデカ石を6個追加したのだ。 二日目は。 「きれいにしてなさるなぁ」と散歩の方が、庭を誉めていた のを思いだし、敷地の草刈りをやったのだ。 飯を食うのも忘れて一心不乱だった。 それから、畑に肥料をやって、トマトの苗が倒れないように 棒を立て、それから庭掃除して、終わってみれば西の空が 赤く染まっていたではないか。 でも、止まらない。 釣り友に誉めてもらいたくて、電灯ともし夜なべして 自信作「船外機立て」を作ったのだ。 行動の原点が全て、「人に誉められたい」という単純さ。 でも、それを割り引いても褒美のカケラでイイ、少しぐらい イイ思いさせてくれ!と叫びたくなる。 先回釣れたポイントを見切るのが遅かった。 前日の過労で釣りの集中力が落ちたか、それとも神様の イジワルか。 気がつけば餌の残りはわずかしかない。 帰りの途中、ヤケクソで糸を垂れると。 信心深いジジィには、幸運を引き込まずには済まないもの があって。 第一投目である。 おおっ やっと姫のお出ましか。 ググッーとくる、あの確かな手ごたえ。 水面を割って出てきたもの これぞ、真っ赤なご褒美。 ※注 神様は、この海域では五ヶ所姫と敬われております。 |
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朝の6時半に漁に出て、2時間半も 海にうろついてたので腹ペコ。 飲まず食わずに耐えられず、帰りは一直線 | ||
「疾風を切って」とは、言えてます。 その後ろ姿も一直線 | ||
キスは小形ばかり、アジも釣れました。 真中のタイは海からのオクリモノ。 | ||
帰りに会った漁師さん カメラを向けると妙に肩に力が入って、 正直で素朴で好きなんだなぁ |
.... | 何にも聞かないのに、獲物の入ったネットを 得意そうにすくい上げました。 中には、とんでもない大きなタコが一匹。 友達になってくれる約束をしました。 |