ひさしぶりだ

7ケ月ぶりだ。手に大けがをしてからは釣りどころではなかった。
手をかばい過ぎ、遅まきながら50肩にもなった。
腕の向きをどうかすると激痛が走って涙がでる。
だからもう、ボートをひっくり返すだけの力を出せないのだ。
しかし、このままシボンでいたら軟派になっちゃう。

パッと閃いて、即実行。
舟をシートで覆えば、無理にひっくり返さなくてもイイし、
船外機もそのまま覆ちゃえばイイ。
だいたい、重たい船外機を取り付けたり、外したりと、
かなりの重労働で、
それだけでも釣りの気力が削がれたりするものだ。

詰めは、雨水が溜まらなくすること。
そして、この骨組みにまで知恵が働くがどうか、
ワレながらにして、うっとり。



さっそくトラック用シートを被せ、ゴムバンドで固定。
ゴムバンドにはステンレス製のフックも忘れない。
骨組みのおかげで、雨が降ってもシートに水は溜まらない。
ご覧の通り、水ハケはバッチリ。

さて、忘れずてはいけないのが海鵜やトンビ対策。
棒を立て、用心に紐も張った。
奴等がとまったら、その鋭い爪でシートはまたたく間に
ズタズタになるだろう。
だから、このように念には念を入れ、
自由な発想に加え、緻密な戦術も必要になってくる。


しかし、
なんだね、つくづく考えてみると、
ここまでの労力をかけるならいっそのこと、
ボートをひっくり返せば済むだけのこと・・・
の、ように思えたりして。

ケガの功名というのか、
これからは無鉄砲な行為を慎まなければと思う。
そして釣りも、激しいエキサイティングより、今の自分に
合ったものにしなければと思う。
オトナシイ釣りと言おうか、
「のんびりとキス釣り」など、ピッタシである。

登山にも、厳冬期の氷壁登山もあれば、夏の尾瀬めぐりの
ように、のどかな登山もある。
感動は、人それぞれに満たすもの。

そう思って、キスの手ごたえだけでも味わえればイイと・・・
それにしても、
舟には、二本の竿が、
餌は、値段が高いけど釣果に差が出ると聞く、モモコ。
釣れないとみると、直ぐにエンジンを駆けて移動の繰り返し。
久々に海の上だぁ。
釣りは後にして、しばらく走り回ってみた。

やっぱ、春の海はイイなぁ。



どうかすると、湾口まで行ってしまいたい欲求にかられたり、
一本の竿で満足できなくて、二本の竿まで降ろし、
いつしか欲張りなワタクシに帰っています。

怪我で手先が上手に動かせません。
餌つけに焦ったあげく、針先が指に突き刺さり、
目配りできず、片方の流し竿が根がかりで満月状態。
焦って肩をひねり、激痛。
息が出来ないほど、痛い。

のどかなキス釣りのはずであったが。
痛いほど、よく分かった。
やっぱりオラはオラだ。
キス釣りを楽しんだあとの帰途。
ちょっと休憩のつもりでイカダに身を寄せ、くつろいでいました。
いきなりでした。
イイオモイをさせていただきました。

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