筋肉痛
学友たちが帰った。
あっという間に三日間が過ぎた。
釣りを楽しみにしてた一人が、帰りがけに呟いたひと言が、

「前、来たときはキスの土産だったが・・・・」

それほど連日の強風で、釣りする気が沸かなかった。
しかし、風は四日間も続かない。
目覚まし時計を、早朝の五時に合わせた。

重ね着をして外に出ると、まったくの無風である。
ひんやりとした空気が冬間じかを予想させる。
星がきれいだ。

旧友たちとの短い秋の休日。
海の見える喫茶店で遅い朝食を食い、
海辺でのたりのたりと過ごしたのです。



ポイントについてから20分経過。
ダメかな?
豊富(?)な経験が切り替えの早さを暗示させる。
さっそく次ぎのポイントへ移動。

仕掛けを落として30分経過。
ダメかいや? ここも・・・
豊富(?)な経験が自身喪失につながるのも目前。
はて、どないしょうか?
せっかく帰りを一日延ばしたのに・・・くやしいなあ。

名古屋へ朝帰りを目論んでいたが、こんなに打ちのめされると
後はどうでもイイやって、
帰る想いを断ち切って第三のポイントへ舟を走らせた。
どんどん陸から遠くなって、「緊急呼出し」の不安もどんどん
膨らんでくる。




水深20m。
デカアジの群れは急な水温低下で深みに移動したと、
読んでみた。

さすが20mもあると、仕掛けが底に届くのに時間がかかる。
底を切って、一ヒロ。
待つこと数秒、
それからおよそ20分、

竿はひんまがり、リールのキシミ音は鳴り続け、
切れ目のない弾丸級快感がつづいたのだった。
30cmを越すデカアジの引きと言ったら、そりゃあもう
トリコになるんでありますよ。
おかげでウデが筋肉痛で、医者通いに
ならなければイイがと心配するほどでして。
嫌味もガゼン磨きがかかってまいります。