いつかは・・・ |
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カリブ海の漁村に住む 老漁夫サンチャゴは来る日も来る日も夢にうなされた。 巨大カジキマグロが釣れる夢だった。 一方、 五ヶ所湾に通う たそがれジジイは来る日も来る日も夢にうなされた。 デカスズキが釣れる夢だった。 連休をチャンスと捉え、 夢を終わりにしようと舟をだした。 夕方だった。 魚場にはライバル船が三隻いた。 まだ釣れてないようだった。 先に釣り上げ、 出し抜いてやろうと気がはやった。 | ||
曳き釣り仕掛けです。 針先には 疑似餌が。 疑似餌の先には ロマンが・・・ |
次の朝、 魚場にはライバル船が一隻いた。 まだ釣れていないようだった。 曳き釣り船同士がすれ違うのは、どこか照れくさい。 出し抜くつもりで、ライバル船から距離をとった。 | |
その日の夕方。 魚場にはライバル船が二隻いた。 なんとなく恥ずかしくて、ライバルから見えないように した。 三度めの正直だ。 いや、先週から数えると四度目の正直だ。 神に祈らずにはおれなかった。 「そろそろ苦労をかなえてちょうだい」 | ||
手ぶらで帰る訳にはいきません 腹をすかしたカカーが 待っています。 |
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