無欲がいい

いつものポイントに着いたのはやや早すぎる時刻。
夕日が体を包み、太陽の温もりがありがたい。
太陽が沈むと急に寒くなるから、それがイヤだったから
早めに海に出てしまったのです。

風もなく海にいるだけでもシアワセな気分になれます。
のんびり、ゆったりの釣りは、やはり釣りの王道といって
いいでしょう。

「今日は釣れなくてもいいや」
そんな気分が漂います。
今まであまり経験したことがない気分です。




第一投に沈ませた仕掛けが上がってきません。
海中のロープか何かに引っ掛かったようで、結局
1,000円ちかくの仕掛け一式を失いました。

赤く丸い太陽が、海面を照らしています。
沖の一級ポイントに行くには、まだ間に合います。
でも、もういいか、と思いました。

もうお終いにして帰ろうかと思ったのです。
釣りをして10分も経たないのに
こんなあきらめの良すぎることは初めてのことです。

無欲な気分というのでしょうか、
これはこれでイイもんさ、
と思いました。

今日、ボート釣りは船を出す場所もままならないようで、
それに比べ、自分はなんと恵まれているんだろう。
好きなときに海に出れ、だれに気遣うこともなく
・・・それだけでも極楽っていうもんさ



餌がたっぷり余ってもったいない。
今まで釣ったことのない場所で船を停めました。
釣る気がないまま竿を降ろしたのです。
12月の末だから釣れなくて当たり前。

夕日の眺めを楽しんでいました。
釣りはどうでもよくなっていました。
餌を早く始末したい、とそれだけでした。

    
不意打ちがたまりません。
いきなりで、地震に会ったみたいですから

しばらくしてから、

なんじゃあー こりゃあー! と叫び

で、しばらくしてから

無欲ってエエもんだなあ、と思うわけです。