他力本願

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一つテンヤであげたマゴチです。

一つテンヤの初回はマダイでした。
二回目はイトヒキダイ、
三回目はマゴチ。

もうお気づきになりましたでしょうか。

いづれも高級魚といわれる魚です。
素人がマグレで釣れるのは1匹めぐらいでしょうか。

じゃあ二匹、三匹めとなると・・・・これは実力者でないと、
と・・・言いたいのを、ガマンしないといけませんね。










この季節、釣りに興じなくて何をしましょう。

で、さっそくですが舟に乗り込んでイザ、出航。

出航はいつも夜明け前、あるいは日暮れ時。
いずれにしても干潮の時間帯に入るとマズイこと
になります。

干潮時には海に沈んでいた底が現れます。そうなると
舟が出せません。また逆に海に出た舟が浮かんだまま
帰れなくなります。

我が家の釣りはまさに、潮(海水)の干満の動きに左右
されるのです。

話は変わりますが、よく遊漁船の船長が口にするのが
「今日はアカンなあ 潮が悪過ぎる」
お客さんが釣れないときに必ずといっていいほど
耳にする言葉ですね。

それでは逆にバンバン釣れているときは、潮の動きが
良いかというと、決してそうだと言えないし。
潮の動きが悪かろうと良かろうと、船頭の腕次第という
ことに、お客だって気づいているかもしれません。

最近気づいたことですが、
釣りの世界ぐらい、「他力本願」が一番似合う遊びはない
と思いますが、さてどうなんでしょう。

よく経験する例ですが
潮が良いのに釣れないときは、竿とか仕掛けのせいに
します。いわゆる道具だてが悪過ぎたと・・・
とりわけよくありそうなのが、エサのせいにするもので、
エサ屋さんにしたって安閑としておれないでしょう。

一方、遊魚船に多いのがこれ。
仲間が釣れているのに自分だけアカンときは、「釣座が
悪かった」、と言い訳します。

もし好釣果の釣友が、隣りにいようものなら
しかも無邪気にはしゃごうものなら、
トゲのある恨み声を受けねばなりません。

「オメエが傍にいるから釣りに集中できないんだ、底取り
 ぐらいキチットやれよ、オマツリばっかじゃねえか、
  ・・・ 
 ほら、オレのチャンスがみな逃げちゃったじゃねえか、
 みんなオメエのせいだ 」


釣りはときには、大切な友人を失う危険さをもっています。


40年来つきあいの友人夫婦です。
久しぶりに訪ねてくれました。

ご覧の通り、潮がまったく動きません。
デカアジを狙っているのにこれではボーズ必至。
潮のせいで釣れないんだ、と諦めていたとき

奥方にいきなりガツンときました。

それから間をおいてガツン、ガツンが襲い、
退屈することなく楽ませてくれました。

釣果報告です。
友人は デカアジ2匹、ばらし1匹
奥方は デカアジ2匹、ばらし1匹

そしてボクは
チュウアジ1匹、ばらし一匹
竿を2本も出したのに、なぜこんなに悪いんだ?

潮は・・・悪かったと言えないし、
道具は・・・ボクのが一番高価なんだし、
エサは・・・同じものを使ったし、

そうだ思い出した、
ボクは
友人夫婦に喜んでもらおうと力を抜いていたんだ


・・・友を失うかなあ