岐路

......

朝起きてボートに乗り込むのに何分かかるでしょうか。

およそ20分。

もちろん顔を洗い、着替えもして、釣り道具をボートに積み込む
までの時間です。


こんなに恵まれた環境、
申し訳なくて謝りたくなります。

ここにくるまでに分かれ道が沢山ありました。
ストレートで来た訳ではありません。

もし銀行の待合コーナーで、薄っぺらな雑誌を
手にとらなかったらどうなっていたんだろう。
田舎の不動産を集めた月刊誌。
そこに五ヶ所湾が載っていました。

もし喫茶店で、新聞の片隅の二段文字が目に
とまらなかったらどうなったんだろう。
格安物件!海付の土地 五ヶ所湾。


もし妻が「嫌よダメダメ」と、ゴネたらどうなって
いたんだろう。
幸い妻は大の自然好き。
好きな野花や土いじりがたっぷりできます。


それ以前に、
もし知多半島の漁港で、ハゼがバカスカ釣れ
たらどうなっていたんだろう。
あまりに釣れないグッタリ目に留まったのは、
沖に浮かぶ小さなボート。
眩しくみえたその瞬間に、ボート釣り開眼が
あったのでしょう。



もっとそれ以前に、
もしふる里のため池で、デカいフナを釣らなかっ
たらどうなっていたんだろう。
スーと沈んだ浮きに、あわてて竿を。

心臓はバクつくし、幼友だちはヨダレを流すし、
夏休みと正月が一緒に来た感じでした。
きっとその時が、釣りの開眼だったのでしょう。



もっともっとそれ以前、ボクが5歳のとき。
もしタモで魚をすくわなかったらどうなっていた
んだろう。

買ってもらったばかりのタモを橋の上から
エイヤーと。
まぐれでした。
タモに入った小魚にビックリ。
駆け足で帰って
 〜〜〜 かーちゃん、かーちゃんでした。

はじめて魚を捕えた感覚は忘れません。
いまだにあの感動を求めて止まないのです。




今の五ヶ所湾暮らしは感謝でいっぱいです。
ここに来るまで、
たくさん、たくさんの岐路がありました。



釣りから帰るときです。

遊びで疲れ果てました。

釣果に不満が残っても
こうした景色に触れるだけで
ちょっぴり満足するのです。






これは11月22日の釣果。

ひさしぶりにアジ釣りです。

早朝狙いでしたが、晩秋のせいか
あっという間に明るくなりました。

明るくなると絶対釣れませんね。
(イイワケかよ)






これは11月24日の釣果。

デカマダイ狙いだったのにさっぱり。
エサが古すぎました。
(イイワケみたい)







これは11月28日の釣果。

デカマダイはどこに行ったんだろう。
水温低下で、きっと沖に出たんでしょう。
(イイワケはもうイイって)

イトヨリダイは塩焼きに
マハタは煮つけにしました。

甥家族が訪ねてきて
甥一人で、ほとんど食べちゃった。






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