濃厚な解放感




雑誌の取材があって、テーマが
三重県の「田舎暮らし」


海辺で生活していて
ガーデニングだけじゃ物足りないから
釣りをしている写真も撮りたいと。


ついでに釣り上げた魚も
撮りたいと。

欲張り、脚光、大好き、
ワタクシ、一つ返事でお引き受けしました。


ところが
波が高く、釣りどころではありません。
しかもワタクシはプレッシャーに弱い。

必死で釣りあげたキス、
これは執念の10匹です。













上は月刊誌「田舎暮らしの本」7月号発売予定の
原稿の一部をコピーしたもの。





釣りはやっぱりノンビリでなくちゃ、
ということで取材の翌日、再び舟を出しました。

マダイ狙いですから遠くまで来ました。
「ああ、何ものにも束縛されない
この解放感、たまらんなあ〜」


しかし、喜びもつかの間、
お腹がおかしくなってきました。

冷や汗が出て、ガマンできません。

これはイカン!
急いで舵を切ってUターン、全速で帰ります。


帰り路がいつもの倍に思えて、
とにかく灯台までガマンしようと、
2馬力の遅さに涙がこぼれます。

下痢の勢いが激しくなってきました。

次の目標の砂浜までガマンです、
そこに強引に乗り上げて、岩陰に隠れて・・・

そして次の目標は釣り筏、何としても行くのだ、
いざとなったらズボン脱いで海に飛び込もう。
限界ギリギリまで行くことにします。



空を眺めて気をそらし、
山を眺めて今を忘れ、
めざすは桃源郷、我が家の小さな個室、
必死で耐えます。

ああ、すでに臨界点突入。

最後の階段を登り終えたとき、
失心状態です。

10年に一度あるかないかの死闘でした。
そしてついに闘いとったのです。


この日は釣りを舞台に、濃厚な解放感
二度も味わうことになりました。


釣果・・・?

それどころでは



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