こんなこともあるさ(2月15日(木曜日)


貴重な一匹でした。

もう帰ろうかと思っていたときに、
最後の最後に釣り上げたのです。

延々と5時間以上、
何も釣れない中での唯一の釣果。

買ったばかりのストリンガー(魚の口に引っ掛けて
生かしておく金物)を試しに使ったのですが、

止めていた紐が外れました。


あっけなく海の底に沈んでいきました。




「あら、今日も渋いのね」

いつもの珈琲館・汐見のゆり子さん。

しかし声が聞こえるのに姿が、見えません。

するといきなりカウンターから頭を出し、
微笑みながら両手を差し出したのです。


「一日遅れですが、どうぞ」


「えっ なにこれ? こんなにたくさん」

リボンに結ばれた小さな箱がいくつもあります。

ただ一個だけは大きい。


「石さんの釣り仲間の名人さんたちの分もよ」


ゆり子さんの小さな両手から、今にもこぼれ落ちそうな

ちっこい箱は義理チョコ。






運よくヤナ名人に会えました。

今日はどこもさっぱりだと、残された秘蔵のポイントに向かい
走り去っていきました。


幸いなことですが。
冬の海は寒いのでチョコレートは溶けません。


しばらくしてナカニシ先輩のグループ。

ナカニシ名人は先日のハマチに、今日は良い形のマダイ一匹。
イシカワ名人は先日のホウボウに、今日は良い形のヒラメ一匹。

チョコは一気に掃けていきました。






トンビが泣きわめいています。

プレゼントを要求して鳴きやみません。


すまん!

本日唯一の釣果は、ストリンガーを付けたまま
仲間のエソに食われていることでしょう。



(2月15日の水揚げ) 

海水温14℃

条件は悪くなかったのに・・・


鱗一片ナシ
血痕も一切ナシ

ワタクシのこころのように汚れなし、ってことで(笑)






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