つゆぞら(7月13日(土曜日)


なつよ、
人生には空回りもあるのだ



久しぶりの釣行だというのに、
船外機が動かなくなった

手にマメができるほどスターターロープを
引いたけど動かない


ここは湾口

我が家から7km以上もあります。


まあ、これも経験
補機の1馬力エンジンを試すイイ機会でしょう。



実は過去に0.8馬力の船外機を使っていた時期が
あります。

今から30年以上も前、
5フィートのリトルファイブというタライ舟とセットで購入し、
日本海の若狭湾に出かけていました。

当時は、車の屋根にちっこいFRP製のボートを
積むことが珍しい時代だったのでしょう

高速道路の料金所では必ずといっていいほど
声をかけられたものです

「オヤオヤ釣りかいな 気をつけてなあ」



ところで
このボートの販売会社は、今は「リトルボート販売」という
ミニボート業界では最大手になっていますが、

あの時は、まだ誕生していなくて
個人の内職というレベルだったと思います。

社長の田原さんは、
ボートとは無関係のサラリーマンでしたねえ。

釣りの趣味が高じて、脱サラで業界屈指の
会社にされたわけで、たしかワタクシと同じ歳じゃないかな。





たかが1馬力、
されど遠い遠い過去につながっているのです。


さて、7km先の我が家に戻れるのだろうか、
燃料は0.7リットルしか持ってきていない。

船外機の燃料タンクは0.5リットル、
満タンにすると残りは0.2リットルしか残らない。

満タンでどこまで進むことができるのか、
これに生還がかかっているのです。


単純なことです、
全長7qの行程で、5q以上進んでくれれば
いいのですから。


それにしては遅い、ノロすぎます。

2馬力の速度は時速7qくらいだから、
1馬力はその半分の時速3qチョイといった具合。

家までおよそ2時間の苦行となるでしょう。



バリバリバリ

エンジン音がけたたましい

バリバリバリ

ストン

燃料切れで止まったのが礫浦の消波ブロック前


オーマイゴッド!

この地点は全行程の真ん中、半分じゃないか
燃料は? 残りは2リットル。

半分来るのに5リットル使い、残り2リットルで
どこまで行けるのだろう。

ということは、
残り3.5qのうちせいぜい1.5qしかあてに
ならないということ。


ああ、最後の2qをオールで漕がねばならないのです。

蒸し暑いなか、それほどの体力があるのだろうか、
ワタクシはもう若くありません。



「なつよ、東京でくじけるな、がんばれ
爺も五ケ所で耐えるから」
(余談ですが、今日の朝ドラはバーヤが録画してくれています)


神風とはこういうことを言うのでしょう

風向きが南風に変わり、しだいに強くなってきました。

イイぞ、まさに順風、
我が家の方向に向かって吹いているのです。


エンジンを止め、風に身をまかせることにしました。




イイ案配だ

我が家に向かって少しづつ近づいているからご機嫌。

退屈しのぎにジギングをすれば、

キュ、キュ、キューン。


ハマチの小さいやつ(ツバス)が入れ食い状態、
1匹だけ確保してあとは全てリリースです。

これが1qも続いたからビックリコックリ、イエーイ♪



湾口を離れたのが8時半、
どうにか家にたどり着いたのが11時前

予想どおり2時間余りの北帰行となりました。




後片付けの途中

ん?

なぜボートの底に落ちてんだろう


これはいつも船外機にくっついているものです。

これが船外機から外れると非常停止になるわけで、
これが船底にあるということは・・・


何かの拍子に外れたに違いありません

これじゃあエンジンはかからないでしょう





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