二重苦
梅雨の合間に来ようと週末の天気予報に期待を寄せれど、いつも肩透かし。
行きそびれてとうとう一月も過ぎてしまい、雨を覚悟で来てみればやはり雨もよう。
しかも長雨のせいかどうか、去年までの野菜の元気はどこへやら。

今年は連作を避ける意味で、成果を多少犠牲にした作付だったようだ。
トマト、ウリ、ナスビ、キュウリなどのウリ科は、日当たりの悪い畝に追いやられた事もあって、
日射不足に加え長雨の二重苦を背負ったらしい。
しかも害虫や病気は弱った体に容赦なく襲いかかる。
食べておいしいウリ科野菜は菜園のスタ−だが、それ故にイジメも多そうなんだ。

雑草との戦いに疲れ果て傷つき、息たえだえのモノもたくさん出てきた。
だが、ここで不用意に助け船を出すと、雑草との格闘にチャレンジしている野菜に水をさすこと
になりかねない。
だから野菜の周りを少し刈って、しばらくは、野菜の持つ闘争本能を信じてみることにしよう。
考えてみると自然農法というのは、手をかけてやりたいのを必死でガマンしなければならない
辛いこと。
でも、それも慣れてくれば楽ちん楽ちんで、その上夢があって楽しみ。



トマトの苗が雨と強風のため、傷つき倒れてたので
起こしてやり添え木をしてやった。
さあ、明日から元気をだして。

この場所は樹が上空にかぶさって陽射しが弱い。
しかも雨が降ると木立ちからボタボタと雨すずくが
落ちてくる。
そんな苛酷なとこでもトマトくんはけっしてへこたれ
ないのです。
ひとつだけ実ったトマトが見えますか

トウモロコシは強風のため根本から折れてしまって
いるし、小玉スイカはせっかく実っていたのにタヌキ
かイタチにしっかり身を食われがっかり。
硬い皮だけが残って、まるで破れたゴムボ−ルみた
いになってしまって悔しい。
カラスに害虫に、タヌキにイタチと。
多勢に無勢、あまりにも攻撃が多すぎる。

でも農婦はけっしてくじけることなく黙々と雑草を刈り
取っています。
最初はハサミ、次ぎは鎌、今は枝を切る剪定バサミ
を持ち出し、それが特に気にいってる様子。
うかつに写真を撮らせてもらえないので、
早業でカシャリ

悲惨な畑の様子ばかりじゃ忍びない。
で、目先を周囲に移してキュ−イの棚をご覧下され。
後方はイタチがお通りになる小屋の屋根。
キュ−イは雄の樹だけがどんどん大きくなるのに比
べかんじんの実を付ける雌の樹がチットモ大きくな
らない。
まるで人間社会と逆。
棚はウバメガシの木で組み立てたもので、月日の
経つのも早いもの。もう3年経つ。
キュ−イが実をつける頃には、棚が朽ち果てなけれ
ばいいが。…
苦労の力作。なかなかの「芸術オブジェ」だ
と、だれもいってくれない


時はヤマモモの季節。
実ると瞬く間にごっそり落果するので、食うタイミング
がいつもずれ、おいしさを逃がしてしまう。
海に落ち込んだ崖に、途方もないヤマモモの大木が
あって、大きく伸びた枝が今にも海面にふれそう。
敷地の土砂崩れを、この大木が守ってくれているの
で、食う楽しみ以上にありがたい木である。
隠れたヤマモモを撮ろうと枝をかき分けよう
ものなら、途端にヤマモモがポトポトと落ちてしまう

地元の爺さんが両手にぶら下げてやってきたのは
3年前。
どさっと投げ捨て「そのうち、きれいな花が咲くか
ら」と無造作に植えていったのがこの花、
「はまゆう」。
植えた場所が北斜面で、冬の北風がとんでもなく
寒く、ほとんど日が当たらないから諦めていたの
に。 見事に咲いたものです。
爺さんのやさしさが漂ってきそう