泥沼化

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もぐらの捕獲で手を焼いたのが春。
生け捕った数、全部で6匹。
一日一匹のペースで面白いように罠にかかった。
狭い敷地にこんなにグチャグチャいるのかよ、と感心する。
しかもあと2匹は潜んでいるはず。
あらたな土の盛り上がりから、数まで推定できるようになった。
今じゃもう、もぐら捕りの名人じゃね。

さて、ホットしたのも束の間。
新たな課題に取り組まねばならなくなった。


2年前になる。
ミツバチが大挙押し寄せ、階段崖に巣をつくった。
試行錯誤の果て、クレオソートを崖に吹き付けて
撃退に成功したのだった。

あれから2年。
かれらは編隊を整え、その数、倍以上にして陣地を
築いた。
とにかく羽音だけでも気絶しそうな勢いなのだ。

迎撃体制。
最強の武器、実績のクレオソート・・・は今はどこを
さがしてもない。
環境配慮形に変わり、値段も3倍になって気楽に
使えない。2年前とは状況が違うのだ。
代わりに噴霧器を使い、果樹害虫駆除液を吹き付けて
みようと思いついた。
ジジイになると知恵もつく。
猛毒性だからミツバチもイチコロのはず、と。











明けて次の朝。
害虫駆除剤なんて「ヘ」とも感じないみたいで、
元気一杯。
どこにも死傷者なんて見当たらない。

・・・・なんてこった

作戦変更です。
封じ込め作戦に切り替えです。
ビニールシートで崖を覆えば、シート内はじきに蒸す。
昼どきの高温時、巣の中の群れはムレムレに喘ぎ
根を上げるはず。

どうだ、まいったか!!
この異常気象、味方につけたろかいな。









明けて次の朝、3日目。
シートを剥がしてみて、
蒸れなんて「ヘ」とも感じてないようで、
ことさら元気一杯。

蒸し方が足りなかったか、
攻めに手ぬるさがあったようだ。
こうなればエスカレートしかない。
火あぶりで痛いおもいをさせよう。

火器攻撃へのシフトアップです。
遠くのホームセンターまで出向いて火炎放射器を
調達してまいりました。

雑草を焼ききるのに使われる火炎放射器、その火力の
殺傷力の凄まじさは想像以上、
さすがのミツバチとて耐えられまい。

さてその威力の効果は。











一週間おいての五ヶ所。
火炎放射器の戦果を楽しみにきてみた。

な〜んてことはない。
巣(陣地)を拡大し、巣穴も深く掘り下げて、まるで
鉄壁の要塞を築いていたのだ。

火がダメなら水じゃあ!!
発作的に武器をとるのでした。
水道ホースで穴ぐらめがけてバカスカ放水、
巣穴の破壊攻撃である。
崖がくずれ、泥流の恐ろしさでミツバチは
ヒキツッタように逃げ回っている。

しかし
真夏の太陽はあつい
あまりにも暑過ぎた。
水なんてすぐに乾く。
一晩の内に修復していたのだった。

残された作戦は、やはり「アレ」しかないのだろうか。
わざわざ「アレ」を求めにホームセンターに行くのも
つらい。
ついでに頭痛薬を買うのも忘れないようにしよう。

やれやれ、これで最後か、
もう解放されたい。
除草タンクにクレオソートをなみなみに注いだ。
もうこれでオワリにしよう。









環境にやさしい防虫防腐剤のニュークレオソート
ミツバチにもやさしいニュークレオソート。

ダメ押しに使ったアースジェットが二缶
山火事に小便だった。

ホトホトつかれた

もうアラソイごとはやめにしよう、
と思う