時を忘れて
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五ヶ所の楽しみに庭仕事があり、
釣りの楽しみがあり、
そして、とっておきの楽しみとして
ひとの発見があります。
春ですから花木の様子が気になります。
とくにこのミツバツツジ、かなりの高齢とみます。
低木性だというのに、樹高が3m以上の高木に育っ
ています。

ジャングルを切り開くまで人目に触れることは
ありませんでした。
案外日当たりの悪さで、花を咲かすことができな
かったのかもしれません。

どうです、この花の咲き様。
加齢者は、障害さえ取り除いてもらえばね、
狂い咲きだって何だって出来るんですよねえ。

五月の連休に火を放ちます。
その準備に余念がありません。

まず、野火用の引っ掛け棒を作りました。
裏山から檜を切り倒し、皮をむき、先端に引掛け金具を
取り付けました。
マグロなどを引掛ける漁具の利用です。
多分燃え焦げて、1回こっきりの道具になりますが・・・

それから火床を囲むように丸太を積み重ねました。
強風対策と、もうひとつ、予熱利用です。
丸太を火の周りにおいて、たっぷり加熱して燃やそう
というたくらみです。

だけんど、
たかが焚き火に、
なぜこんなに手間をかけるのでしょう。





巨岩がある庭なんて、うれしくて涙がでそうです。
岩に張り巡らされたツタや泥などを剥ぎ取ると、
どうでしょう。
今まで想像できなかった華美なまでの地肌が
出現したのです。

ところで
ワタクシ加齢者どもは、幾重にも塗り重ねた鎧を
剥ぎとりますと、どんな地肌が現れましょうか。
泉地区です。
「五ヶ所湾ふるさとの会」で活躍されていた伊勢さんの
お住まいがここにあります。

ホタルが舞う季節でした。
「とてもきれい 川から沸き上がって
 見えるほど  一度いらっしゃいよ」

「スペインから引っ越してきてね、
 ここが気にいってるの、大好きよ」
と、ニッコリ。

昔からの友達のような気安さがありました。
時を忘れてお話をしたこともありました。
聡明でやさしく、正義感の強い女性でした。

釣り屋の大将が教えてくれました。
三ヶ月前に亡くなったと。

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泉にあるお寺。
庭木に目が移り、あれこれお話します。

小さなお堂の前にサルスベリの老木。
「いったん伐採して、替わりにサクラを植えたんで
 すが、そのサクラが枯れてしもうてさ」

「そんでな、
 元の生きていたサルスベリを復活させたんよ」
 およそ樹齢は100年を越えているでしょう。
今年はまだ剪定してないからと、申し訳なさそ
うです。

裏の庭に案内されました。
縁側に腰をかけ、お寺や庭のよもやま話に感激して
時を忘れます。
こまめに手入れされた庭木が見事です。

お寺の庭木の面倒は、奥さんの役割りらしい。
ハシゴを使って、剪定から消毒までの全てを
おやりになるとのこと。

おどろいてはいけません
奥さんは私めよりお歳です。