老鶯

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老鶯(ろうおう)とは読んで字の如く、年老いた鶯(ウグイス)である。
春が過ぎたのに鳴くウグイス、という意味で
ワタクシ的にピッタリ。

新築の様相が明らかになるにつれて、だれからも疑問の声があがる。
「ちゃんとした家があるのに、どうしてまた家を建てるのさ? バカ?」


私の思いあたる回答として、
やはり「老鶯」のしわざ、というしかないだろう。

歳とるほどに元気ハツラツ、
むしろ狂い咲きたいほどだ。




アプローチの歩道が交差しています。
左は正面入り口。
手前は駐車地に続きます。









東南方面からの眺めです。

歩道は大磯洗い出し仕上げ。
小さな玉砂利をモルタルで固めたものです。
当初に見積もった工事費が、
実際には4倍近くに相成り候。

あまりの高額さに声も出ませんが、
「老鶯」ですから鳴きわめきましょう。







西南方面からの眺めです。
壁は漆喰、腰壁と雨戸袋は杉板貼り。
玄関戸は木製。
自然素材を極力使いました。

いっぽう
老衰著しいワタクシめを労わる必要があります。
厳しい暑さ寒さから守ってやらねばなりません。
断熱材として、
天井200o、床下90o、壁100oの木質系繊維
(セルローズファイバー)で隙間なく充填しました。

地球環境にやさしいことより、ジジイにやさしいほうを
優先させます。







家のニ方を縁側で囲いました。
厚さ40oのヒノキが贅沢に使われています。
柱も全て無節のヒノキとなっています。

設計では小節程度としていたのですが
大工の棟梁が、意地をみせました。

イイもの、お客さんに喜んでもらいたいと、
費用は二の次だったのでしょう。


となりますと、こんな「特等縁側」で
ヘンなことはできませんね。
おのずと正座する気持ちになります。

しかし、じきにだらしなく寝転がったりして、
左手でケツを掻き、右手で鼻くそなど
ほじくるのでありますなあ。







. 玄関より南方向の眺めです。
歩道の先に物置小屋が見えますでしょうか。

歩道がゆるやかな曲線となっているので
なんとなくユルリとした気分になります。

庭が赤茶けた土で、むき出しになっていますが、
来春には緑に変わることを願っています。

妻と娘が二日かけて、土を耕し、種を撒きました。
レンゲとクローバーが順調に育ち、装いを新たに
してくれるのが楽しみです。






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明けても暮れても土方仕事。
未明に起き、ヘッドライトを照らして土方仕事。
ヘッドライトを照らして夜の9時ごろまで土方仕事。
夢の実現なら楽しくてしかたありません。

夕飯食って腹いっぱいになって風呂に入り、
湯船に沈むと、ヘナヘナ〜と寝てしまいます。


ワタクシの得意技でありますが、
30分程度なら湯船で熟睡できます。

こんなこと、だれも真似できませんから。





研ぎ出し流しを据え、周囲をコンクリートで仕上げます。
コンクリートにはワイヤメッシュを入れます。
土を掘り、たこ土突きで土固めを終えたら、
コンクリート厚さが130o以上になってしまいました。

セメント4袋、砂8袋、砂利12袋を使ったことになりますが
よく覚えていません。

読み違いから何度も買い増しをしたからです。
ホームセンターまで何回行ったか、それさえキチンと
覚えていません。

一週間の滞在だったのですが、あれやこれやの買出しに
5回以上もホームセンターに通ったでしょう。

夢の実現ですから、バカをしてても苦にしません。
ったく、本物のバカっているもんで・・・

こんなこと、だれも真似できませんから。