迷走賛歌 |
................ | ||
平均で月に一度か二度の五ヵ所。 滞在日数も月平均で三日か四日。 少ない滞在日なのにやりたい事は山ほどあり、 また、やりたくない事も山ほどある。 今一番やりたい事は木製ベッドの手造り。 カカーはんとワタクシ用のセミダブルを二つ。 けっして一つではありませんよ。二つです。 ベッド設計を一年前から進め、今が7割ぐらいの仕上がりといったところかな。 手を休めたくないのが丁度このくらいのときでね。 ほんとに何も考えずにベッド造りだけに没頭したい。 そのために寝食を犠牲にしてもかまわない、 実際4時間で睡眠を済ませ、真夜中に起きて作業してるんだから。 アホだからということじゃなく、ボクは三日間くらいだったら平気なんです。 とにかく滞在日数が圧倒的に少ないのです。 |
|||
ベッド造りは体が冷えます。 竹やぶで用を足し、振り向けざまに目にしたものは 「ナンジャアー コリャアー!」 ウバメガシから木屑がこぼれていました。 小さな穴からこぼれ出た木屑は、幹を伝って落ち、 涙ぐんでいるように見えます。 被害の進行はかなりのものです。 |
|||
ベッド造りを中断しました。 やりたくない作業が急きょワタクシを捕らえます。 経験的に分かるのですが、 いま処置をサボると夏までもたないでしょう。 進行はステージVと診ました。 次回の来訪時にはステージWになってるかも しれません。 さっそく薬剤噴霧器に秘薬を詰め込みました。 これを幹まわりに吹きかけ、内部に巣食う 害虫まで浸透させようというわけです。 |
|||
ところで秘薬の中身ですが クロオソートを灯油で割ったもので、 この割合がなかなか難しい、っていうことは 全然ありません。 要は浸透性の問題、キクイムシへの殺虫力はもちろん、 汎用性で安さが条件、只今臨床実験中でありますから、 国際XX学会で評価を受けるのはまだまだ先のことでしょう。 さて塗りかたが済み、終わったー、と一安心するのがシロウト。 「老鶯」は最後のツメをさぼりません。 揮発性の秘薬を患部に留めさせるには何をしたらいいか、 老鶯は必死に頭をしごきます。 揮発させない方法はないのか、 いつものように布団のなかで思い巡らせるのであります。 そして、ご覧ください 高く伸びる幹に施したワルフザケ。 いえ 施術へのこだわり |
|||
もっと近くでご覧ください お分かりになりますでしょうか。 幹に巻きつけられたラップ、電子レンジでチーンとするときの 例のラップですよ。 ずばり!ラップは匂いが逃げない、秘薬だって逃げないはず。 秘薬の封印にはうってつけです。 幅15cmのロール巻のラップをですね、半かさねでグルグルと、 気も遠くなるような作業をグルグルと巻いていくうちに、 とんでもない高さまで巻いちゃいました。 やりたい作業でも、やりたかーない作業でも なんでもそうです。 途中で止まらなくなってしまうんですなあー 暴走、ダイスキです はは |
|||