またも熱中症


................


熱中症に二通りあります。
体におきるものと、ココロにおきるものです。
ココロにおきるものは、簡単に治りません。



 
暑く湿った空気の出迎えです。
夏の夜中はいつもそう。

五ヶ所に到着し、休む余裕がありません。
鹿の被害を確認しなくちゃね。

ところが体が止ったままです、
濃厚な甘い香りで気絶しそうになりました。

ああ、ササユリの匂い!


上の画像は二週間前のものです。

去年までは鹿の食害にあい、花を見る
ことはできませんでした。

今年は素晴らしい!
鹿の侵入さえなければ、ササユリの楽園に
生まれ変わるのです。



花の苗をたくさん買ってきました。
夏なのに、はたして根付くかどうか心配です。

次回の予定は海の日、3週間後になるます。
それまで過酷な暑さに耐えられるでしょうか。

うまくいったとしても半分以上は枯れるような気がします。
それなのにナゼ植えるかって?

苗を見つけたからです。
欲しかったものが手に入ったのです。











わが庭の花の宿根草(多年草)ですが、いったい何種類ある
と思いますか?

エヘン、100種類で〜す。
五ヶ所に来る度に苗を植え、少しづつ増やしてきました、
得意な「アリさん」スタイルです。


草花は、もっぱら妻が楽しんでいた領域です。
ワタクシが任されていたのは果樹と花木、それにシカ対策。
それらが一段落したので花の苗植を手伝いました。

自分が植えたものは可愛いねえ、
それにひきかえ
他人の植えたものは、どうしてもオロソカになるようです。

そのせいか、草刈機でハネてしまうのは妻が植えたものばかり。
ハネたあと、不思議とサッパリしています。

.夏に苗を植えるのは正常ではありません。
枯れる恐れが多いからです。

でも欲しかった苗を見つけた途端
これが最後のチャンスとばかり買いました。

ホームセンターでは入手できないものばかり。
遠く岐阜の日本ライン花木センターまで
出かけたかいがありました。





ところで、
いつからか沢山の種類を目指すようになりました。
まるでお花の収集マニアと化したようです。

過去に一度だけ過熱収集の経験があります。
メンコの遊び、ふるさとではパッチンとよびます。

地面に並べた相手のパッチンを叩いてひっくり返します。
ひっくり返せば自分の所有物になるわけで、ガキにとって
安全で楽しい合法的カツアゲといえましょう。

もちろんですが、勝負相手が自分より弱いことが不可欠。
そのために常日頃からウデを磨いておかねばなりません。


ウデ一本で稼げぎまくる快感、
オトコにとって人生で最初の渡世術を味わうのです。

菓子缶にぎゅうぎゅうに詰まった戦果品(パッチン)をながめては、
明日への生きがいを感じていました。

そして爺になった今、パッチンに替わって
たくさんの宿根草を眺めるのです。






さて苗の植え付けですが、しつこいくらいシュミレーションを
繰り返しました。
洗濯は自分でしました。
一人だったので自分でやるほか仕方ないのです。

それにヨビが乏しくなったから、洗濯しなければ
着替えもできないし。

なぜヨビが乏しくなったかというと
一日で、たった一日で、沢山着替えたからです。

蒸し暑さで汗だくになって、どんどん着替えました。

一日に何度シャワーを浴びたかというと
午前に一度
お昼に一度
四時過ぎに一度
夕飯前に一度

その度にパンツから全部着替えました。

その度にシャンプーで頭を洗いましたから
そうとう毛が抜けたと思います






花が咲いたらどんな光景が待っているんだろうか。
レイアウト一つで、庭の雰囲気が変わるし、
あれこれと考え出すとキリがないのです。


眠れません。
未明に起き、せっせと穴を掘り、砂を入れ、培養土を混ぜ、
苗を植えていきます。

いつのまにか太陽が真上にきています。
あまりの暑さで頭痛と吐き気がしました。

それでも植えつづけます。
途中で気が変わり、せっかく植えたものを引き抜き、別の場所に
移植したり・・・

マルチング対策として腐葉をたっぷり被せます。
そろそろ陽が沈もうとしています。
水をやりながら、一つ一つに言葉をかけてやりました。


「この夏ばあ 意地ばみせて乗り切ってみんしゃい」

つい二年前までは、赤土がむき出しになっていた庭です。
自然界の、草木の、底力におどかされます。

写真中央上のピンクに見える花はカワラナデシコ。
一旦枯れそうになったので言い聞かせました。

「 いいか、ジジイの言うことをよくお聞き
おまえが枯れ死んでもかまわない、
運命だとあきらめるさ

来年の春に芽吹いてこなかったらどうなるか
おまえを見限り、他のものを植えるしかない

チャンスは一回だけ
ジジイをガッカリさせないでくれ 」



そして春がきて
たくさん、たくさんの小さな芽がでて・・・きた





...............