楽園模索
 
 ベンチ横になぜかコンクリート杭が立っていた。


何の目的か分からないまま放置していました。
あるときハッと気づいたのです。

そうだ!和傘を立てるためかもしれない
穴に柄を差し込むだけで、傘立てになるんだ。

なんとも奇想な。
造作者のアイデアに感心しましたね。

しかし、穏やかな庭に不釣り合いです。
今まで何度か破壊を試みました。

ハンマーで叩こうにも、電動ハンマーで砕こうにも
まったく歯がたちません。
それほどコンクリート製杭は頑強なんです。










 
 闘魂注入

移住したら時間がたっぷりあるんだ、
それまで延期だ、と楽しみにしていた宿題です。

さて、
ハンマーを振り下ろすこと数十回。
まるで変化がありません。
気分を変えてさらに数十回。

オッと、小さな筋です。
割れ目が現れました。

そのときの感激ったら、
ヤッター!とその場でいきなり泣き伏しました、
・・・と同じくらいの感激です。

「これはいける」、と思いましたね。

昼の休憩を挟んで、延々とハンマーを振り下ろします。
気の遠くなるような単純作業が続きます。

一切の妥協はしません。
粉々になるまで、ひたすら振り下ろしました。

「雨だれ石をうがつ」
どうぞ、アホの結末を見てやってください。












宝物が、またも


..................

採れたての野菜を届けてくれたのは、ササユリ鑑賞で
にわかに知り合いになったNさん。

そのNさんに案内された近所のアジサイ園です。
広大な敷地に数えきれないほどの品種があって、
盛花を過ぎていましたが見事ですね。

そしてワタクシの隣がその「園長」さんです。

園長さんはマルチ職人。
土木、溶接、電気、水道、それに園芸にボランティア花壇
は淡々と「一人親方」なんです。

最初に案内されたのがワラビ園です。
園に沿うように小さな小川があって、水源は近くにある
湧水をパイプで引いたようです。
小川はもちろん「自作」です。

清流にはたくさんのメダカが泳ぎ、ホタルが舞います。
小川は、制作から一年くらいしか経っていないでしょう。
なのにホタルは、元気に育って足元にまとわりつくほど
だった、と聞きました。

川底は、ホタルのエサになるカワニナが動き回り、
カワニナのエサがたっぷり撒かれていました。









最後に案内された温室です。
広大な温室には熱帯、亜熱帯植物がワンサカあって
いったこれは何なんだ、となりますね。

あくまで園長の個人趣味でありますよ。

ワタシはランとかは知識がほとんどありませんが、
貴重なものが盛りだくさんだ、ということぐらい
分かります。
同好の趣味人だったら、きっと目玉が飛び出すこと、
間違いないでしょう。

驚きは園長の姿勢です。
いろいろと催し物があったりすると提供されますが、
一切の見返りを求めないということです。

豊かな自然が育むのでしょうか、
五か所には、こういう人が多いですねえ




樹齢500年のクスノキの根。
温室の入り口にドカンと座っていました。

畑に埋もれていたものを掘り出したとか、
いやはや
いったい何者なんだろう、この園長。

五か所にはいろいろ埋まっています。
今日もひとつ
とんでもない宝物(人)に出会えました






朝早く、ゴミ集積場で出会ったご婦人、
ササユリ鑑賞会で知りあいになった先輩住人、
にわかに知りあいになってしまった園長。

今日一日、
みなさんからいただいた幸の山です。

左の黄色のものは甘ウリではありませんよ、
温室栽培のパパイアなんです。

困ったものです。
ワタシには、お礼に差し上げるものが何一つないん
ですから・・・