自転車小屋パート2


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自転車小屋の後半です。

一工程ごとにヨロコビと悲しみが襲い、

どうにか次の新しい工程に進んだとき、不思議なことが起きます。

あれほどココロに重くのしかかっていた悲しみと挫折が、

いつの間にか星のかなたに消え去っていました。



トリマーでほぞ穴
やったぞ建前
 
土台のほぞ穴をきざんでいます。

海辺のバラック(平成9年ですから16年前)のときはノミを使って
いました。
今回は電動工具のトリマーで、一気にカタをつけます。

ところで材木ですが、これがすべてヒノキであります。
特価の5本まとめ買いだと、スギなみのお値段になりまから、
買わないと後悔するでしょう。

長さが4m。
ホームセンターの軽トラを借り、チンタラと運んできました。

いつもそうですが、材料の買い出しは妙にワクワクします。








 
骨組みを組んでいくときの興奮、なんとも言えないですね。

成功か失敗か、たどり着く先は祝福かあるいは挫折か、
問答無用の結果が待っています。
ごまかしの無い世界です。

柱一本の寸法が少し違うだけでもダメです。
ワタクシなんざ、たった一本のミスのおかげで、過去にどれほど
悔しい思いをしたでしょう。

今回は同じ轍を踏むまいと、何度も何度も寸法を確認しました。

不思議なものです。
何度も確認作業をしていると、信じられないことが起きます。

二回目がOK、ところが三回目の確認でミスが見つかりました。
こうなるともうダメで、自分が信用できなくなります。
己を呪うしかないのです。

ご覧ください。
堂々の建前じゃありませんか。

結果が全て。
幾多の不安が一掃され、自信が蘇る瞬間であります。












 
母屋とタルキ交差点切欠きテンプレート トリマーで切欠いています

タルキと直角に交差するのは、棟木と母屋と軒桁です。
いずれにも「タルキ欠き」という切り込みを行います。

こんなチッポケな小屋ですから、そこまでやる必要がない訳で
さんざん迷ったあげく、やらないことにしていました。

ところが、一晩寝ると考え方がガラッと変わりました。
こういうことはよくあることです。

さっそくイメージトレーニングです。
ノコギリとノミで刻むのは精度が出ないし、なにかイイ方法が
ないだろうか。



やってみるもんですね。
トリマー用テンプレートを作成し、それをクランプで固定します。

テンプレートに沿ってトリマーで切り込めばビックリするほどの
出来上がりとなりました。

テンプレートの製作に時間を取られ、苛立つことがありましたが
結果として予想以上のスピードです。しかも精度抜群。

まさに「急がば回れ」でした。




耐震金物の乱用

にわか勉強の弱さがでました。
知識がない分、手間と費用で補いましょう。

必要以上に補強金物を使いました。
自転車小屋です、せいぜいカスガイで充分だったかもしれません。

よくあることですね。
無知ほど無駄なエネルギーを浪費します。









ほぼ完成 現場力

ようやく全容が見えてきました。

この小屋を作りにあたって楽しみが5つありました。
1つは転圧機をリースすること。
2つは生コンを注文すること。
3つはコンクリートブロックの基礎。

そして4つ目がアルミサッシの建具です。
早めにネットで注文しました。
なにしろ初めてのことですから心配だったのです。

案の定です。
下枠をコンクリートで固めるのに手こずりました。
補強金物を外したままで据えつけて、あとでそれがテーブルの
隅から出てきたときには、その夜は悔しくて眠れません。

さらに追い打ちをかけます。
枠の垂直と水平に躍起になり、とてもナーバスになっていました。
それを打ち消さんとばかり、エイヤーと次々とビスで固定して
いきました。

やれやれと思ったのもつかの間、
]軸の垂直に気を奪われ、Y軸の垂直を見失っていることに気が
付いたときは・・・

その日は泣きたい気持ちで一杯でした。










楽しみの5つ目が床のモルタル仕上げです。
コンクリートは失敗が許されません。
後戻りがきかない作業の最右翼です。

小屋内の床はおよそ2m×3m。
入口に向かって下がり勾配とし、水はけを考えます。

広い面積を一気に仕上げる訳ですから、
何度も何度もイメージトレーニングしました。

用意周到に水糸を中央にも張りました。
コテ用に長板も用意しました。

さらに上の写真にあるようなバカデカコテも作りました。
あっ!すいません 右は手製の三角定規ですからお間違えなく。

結論を急ぎましょう。

完ぺきです。
自分でも納得のいく左官仕上げとなりました。



ただ・・・






屋根と外壁のガルバニウム鋼板は
地元のプロにお願いしました。

こればかりはシロウトには無理です。
下手に手をだすと、仕上がりが
ババッチくなりそうです。

ところで入口の土間コンクリートですが、
小屋内との段差が少さ過ぎたようです。

おかげで、外の砂利や泥が敷居レールに
からんで戸車がガリガリすることも・・・


でもまあイイか
終わってしまえば、あとは野となれ山となれでしょう。
あと一月も経てば
なんとも思わなくなるのが分かっているし・・・


関心は、今すでに別のことに向かっています。