電源確保


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かの地は東南海地震の不安と背中合わせの生活ですから、まるで何もしないことは
まるで自殺行為とも言えます。

仕事に忙しく子育て真っ最中の、生活に余裕のない身分ならいざ知らず、
庭の花を眺めては一日を過ごす蟄居老人です。

この暇を、自主防災に振り向けねば天罰が下りましょうに。
イザとなったら助けてくれるのはだれか?
お上に頼る前に自分でやれることはやっちゃう、ということですね。

備えあれば憂いなし。

ジリジリ忍び寄る大災害は、いざ直面となると数週間、いや数か月の停電は
免れないでしょう。




自転車小屋です。

奥にある緑色の機械は何かというと、
ガーデンシュレッダー(小枝裁断機)とコンクリートミキサー。

さらに奥に、白い板が見えます。
これが今回の主人公、太陽光発電板、
いわゆるソーラーパネルです。

白色のパネルは裏側です。
緊急時以外はいつもここに保管してます。








ソーラーパネルはどなたもご存知のように、太陽光を電気に
変えます。

そしてだれもが値打ちで買えるという、ずいぶん便利な時代
になりました。
少しまえでは考えられませんでした。

しかし広く普及した反面、誤解が多いのも事実です。

電気を発電するのは太陽が照っている間だけ、と知って
いても、それが夜間になるとまるで生活の役に立たない、
と分かるかたは少ないでしょう。

雲が出れば、また雨が降れば、ソーラーパネルは役に
たちません。
ましてや夜間なんて問題外です。

ソーラーパネルの屋根を眺めて、ニンマリとされている
お父さん。
ソーラー発電の電気を、電力会社に売りまくったと
ホクホク顔のお父さん。

メーター眺めて喜んでばかりいられませんよ。

停電で電気が止まった! さてどうなるんでしょう。
はたしてソーラーパネル(一般普及品)が活躍してくれま
しょうか。









先へ急ぎましょう、写真の内容を少し説明します。
ソーラーパネルで発電した電気は、チャージコントローラーを
介して、いったん電池に貯めます。

白く輝く箱体がチャージコントローラ、そして青い箱体が
蓄電池(バッテリー)。覚えておいてくださいね。

ソーラーパネルの大きさはおよそ畳一枚分です。
補足しますと、最大出力190W、重さが14.5s。

青色の蓄電池はリン酸リチウムイオンバッテリーと呼ばれるもの。
補足しますと容量がDC12V40Ah、重さ6s。

このセットは難しいことは何もありません。
太陽が照っている昼間に電気を蓄えておく、ただそれだけのこと
です。

晩春の晴れの日、計3回の試運転結果、
蓄電池は早朝から充電を開始し、およそ午後2時ごろには
満タンとなりました。

満タン(充電完了)になれば自動的に終了となるので、
そのまま放置しておいても大丈夫。

さて次が大事です。
ソーラーパネルで発電した電気は、蓄電池に貯めてこそ
ナンボのものです。
「電気が使える」には、蓄電池の貯め具合に左右されること、
そのあたりを次に見ていきましょう。







222 蓄電池で貯めた電気は直流ですからインバーターで交流に変え、
ついでに電圧も変えます。
なんら難しいことはありません、家庭用電気器具が使える用に
電気の体質を変えるだけですから。

さて左の画像は、蓄電池に貯められた電気をインバーターを介して
テレビに送っています。


ご覧のように電力会社とは一切やりとりしません。じつに簡単。
だれにでもできるもの、といえましょう。

ここまでくると一番気がかりのことといえば、そうです、この小さな
蓄電池で一体どれぐらい電気が使えるか、ということですね。
せいぜい一時間ぐらいしか使えません、となるとガッカリです。

甚大な災害時に、何より欲しいのが復興の情報。
情報入手におけるテレビの役割は、想像以上です。
ただし地上波は復旧が遅いと予想されますので、頼りとなるのはBS
(衛星放送)だけかもしれません。

さてさて肝心のテレビですが、これを小さな青い箱(蓄電池)で何時間
視聴できるか、さっそく試してみましょう。

テレビは小型22インチ、消費電力51W、シャープ製の安もの。
午後4時半からテレビのスイッチを入れ、やがて燃料切れ(放電終了)
となり、自動的に消えたのが次の日の午前8時半。

なんと連続16時間でした。
普段のテレビ聴視は、せいぜい2〜3時間ですから、はるかに余裕
ある電気量です。
したがって夜間の照明(もちろんLED)や他の電気器具に、じゅうぶん
利用できますね。

ただ、このインバーターは300W以上の電気器具には使えません。
エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電は無理ですから、承知して
おく必要があります。

さてさて一番の関心ごと、価格です。
ソーラーパネルを含むシステム価格は、およそ12万円。
安さ重視で、蓄電池を重いもの(ディープサイクルバッテリー)に変えれば
9万円くらいで済みましょうか。


話がそれますが、
非常用電源としては、他に小型発電機があります。

長所としては必要なときだけ運転し、取扱いも楽です。
ただ最大の短所として、燃料(ガソリン)の長期保管の難しさにあります。

いずれにしても、だれもがおいそれと準備できるるものではありません。
あくまで防災対策の一つとして、頭の片隅に留めておくのも、
よろしいかと・・・


思い出しますなあ、テレビの衝撃。
あれは今から半世紀以上前。
村長の家に村人が集まって、立つスペースもなかった。

白黒のテレビに、美智子さんと白い手袋。
昭和30年代でした。





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