育苗小屋(平成30年夏)

                       
           育苗作業をしているバーヤを見ていて気づきました。
           
           朝、日が昇ると育苗ケースを外に出し、夕方になると軒下に運ぶ。毎日がその繰り返し。

           風の強い日、霜が降りそうな日、横なぶりの強い雨の日は、小屋内に運んでいる。

           それを怠ると、せっかくの苗が台無しになったことも。





業者に依頼して床コンクリートを打ったのが7月9日。

それから4日後の13日に、単管ポールの基礎を
据え付けました。

アンカーの代わりに初めてコンクリートビスを使って
みます。

初物は緊張があってイイなあ。






単管パイプが沢山、
ホームセンターの軽トラで運びこみました。

しかしなんだか多いような気がします。

図面でしっかり本数を数えたのに

なんと!
3mものが4本も多いではありませんか。








パイプの要所要所に印をつけておきます。

厄介なことですが、これが正確で一番の時間短縮。

単管の切り口には錆止めのローバルを
塗りました。

厄介なことですが、数年後に泣きをみると
おもえばずっと楽なことです。







木材の搬入もホームセンターの軽トラ。

軽トラの借用制限時間は60分だから、
毎回ギリギリセーフの慌ただしさ。

木材にはクレオソートを2回塗りましょう。

厄介なことですが、数年後の泣き面を
想像すれば、ずっと楽なことです。








さあ、いよいよ骨組みの立ち上げです。

助っ人はいません。

人の手を借りないでやってみようと意地をはると、
やっぱりしんどい!

水平と垂直は徹底的に、妥協はしません。

だから余計、しんどい!

異常気象の猛暑だから、しんどさときたらアンタ(笑)







難関のドアーまわりです。

床コンクリートのサッシ工事が厄介なのに、
さらに単管パイプにサッシの取り付けとなると。

初めての試みとあって胸がワクワク。

実例はどこにも見当たりません。









下枠のコンクリート工事。

コンクリートが固まると、やり直しがききません。

一か八か、オノレに賭けてみましょう。









サッシ枠の取付けは木の柱となります。

その木柱は単管パイプに緊結されます。

そして木柱を、
完璧な垂直と、完璧な間隔にすれば
サッシ枠はドンピシャリとはまるはず。

通常はそんな危険なことを避け、サッシ枠と
木柱との間に1cmのクリアランスを取るものですが。






危険を承知でドンピシャリに挑戦します。

汗、汗、汗・・・

どうにかサッシ枠は納まった。

第一難関突破!

さあ肝心のドアーはどうだ

きっちり開閉できるかな〜?

大成功!!








ちょっと休憩しましょう。

工事の息抜きにちょうど良いコンサートのお誘いがありました。

外の暑さに比べると会場は別天地、
ワタクシ、奥のソファーに体を沈めるとウトウトと・・・

よ〜く考えてみると、
コンサートというものに行ったのは、生まれて初めてじゃないかな。

慣れないことをするもんじゃありません


ほとんど寝てました。








続けましょう。

単管パイプのキャップをご覧ください。

通常は安全対策として黄色のキャップがほとんどです。

ここは工事現場じゃないのだから地味でいきたい、
黄色を嫌って、どうにか探し当てたのがグレーのキャップ。


さらに
パイプとパイプの継手、いわゆるクランプですが
金色のメッキを避け、亜鉛のドブ漬けにこだわります。

耐久性と地味さを求めました。








どうにか骨組みが完了し、屋根を葺きました。

ここまでくればもう出来たのも同じ。




専門的になりますが、
パイプと角材(たる木、さん木)の緊結は、
すべてステンレスサドルを使用しました。

この方法はムチャクチャ安く、しかも
緊結力は想像以上です。







壁の波板も貼り終え、ついに完成しました。

イノシシやシカが侵入しないように、最下部に角材が
回してありますから安心です。


そもそも育苗小屋です、
上等な造りではなく、廉価版こそがふさわしいでしょう。

かといってビニールハウスでは安直な感じもするしね。

となるとその中間の仮設的単管パイプ方式が、
よろしかろう、という選択でした。









ドアーを開けます。

両側に単管パイプ3本の棚。

錆びないようローバル塗装を忘れることなく。







反対側から。

棚の上に育苗ケースが全部で14ケ置けます。

秋に種を撒き、春までここで育てるとして
はたしてどうなるのでしょう。

まず霜の心配はないでしょう。

強い風の心配もないでしょう。

強い雨の心配もないでしょう。









海辺のバラック小屋が1997年、

隣の自転車小屋が2013年、

そして今回、2018年の育苗小屋。

[五ヶ所3部作] がこれをもって完結しました。




イノシシが体当たりしてもビクともしない頑固さ。

世界で一番頑丈な家庭用育苗小屋、
となるかもしれません(笑)







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