育苗苦難(2021)

種から花を育てるのは難しい。
今年のように、
長雨と高温が長引く秋の育苗は悲惨なものでした。

 
これらポットの育苗は、全て失敗したものです。
撮影は1010日ですから、
この時点でのやり直しは十分いけるはずでした。

ポットの土は全てトロ箱へ廃棄処分。
理由は菌類対策と過去からの学習です。

「種まきは清潔な土にすること」と、
種袋にキッチリ書かれているくらい。

種まき培養土の使いまわしは、
過去の失敗経験があるだけになおさらです。



 
さて失敗作の一つは、モヤシ状の苗。
原因は発芽後にたっぷり日光浴ができなかったことです。

とにかく長雨が続き、お日様どころじゃなかった、

さらに長雨の後は異常高温が続き、ポットの地温が上昇、
そのせいで発芽が急ピッチで進み、いっきにモヤシ状態に。

その後の異常気象もいけなかった。

最高気温が30度ちかい高温が続き、
その後、一転して20度くらいの低温が続いたのです。

発芽したものにとって10度の落差は、相当なダメージとなったでしょう。

発芽しないものが続出しました。


これらは全て異常気象によるものでした。
しかし他に問題がなかったか?

種まきの基本は苗床(セルトレイなど)に種をまき、
それを第一段階とするならば、

第二段階は幼い苗をポットに移植することであり、
地面に移植するのは第三段階となります。


ワタクシは第一段階を省略し、直接ポットに種をまいていました。

昨年はこれでうまくいき、
これぞ省エネ育苗だと自画自賛していたものです。


ところが今年のように不良が続くとどうなるか

発芽が不健康なものや、モヤシ状態のものはポットの土を捨て、
再び新しい土をポットに詰め、そして再び種をまくことになるのです。

ポットの土は種まき専用の培養土であり、かなり高価。

その培養土を片っ端から廃棄するわけで、
まさにお金と体力の無駄づかいでした。




 
さて肝心の日光浴ですが、
いきなりお日様に当てると気絶するので、午前だけ
日が射す場所に移動させます。

草花にとって半日陰は安全地帯と言えましょう。

育ちの悪い挿し木や、ひ弱な春まきの苗も、
みんなこの場所に避難してきますから、

さながら難民キャンプのようであります



 
 ことしは大々的に取り組んでいます

地面に直接種をまく「直まき」法

これが成功すれば、将来ともども
育苗の苦労からなんぼか解放されるはず。

じつは去年、余った種を集めて一か所にバら撒いた結果、

フフフ なんだか成功したみたいで今年はさらに踏み込んでみます



 
余り種はもちろん、新たな種もブレンドします。
もちろん植える場所によってブレンドの種も変えて。

この試みは、来年の春に結果が出ます。

せっかく発芽しても途中で消え去るものもあり、
春までは予断を許しません。



 
ブレンドの直まきエリア、 エントリーナンバー㉜

芽が出ても、日数が経たないと何の花か分からないですね

・・・案外雑草だったりして


白い不織布は豪雨による種の流出防止として、エリア全体に
掛けていました。



 
こちらはエントリーナンバー⑥ 単一種の直まきです

もし発芽しなかったら、ブレンド(多種)と違い一切白紙と
なるので、
発芽率の高い花としました。

これはヤグルマギクですが、
他にビスカリア、アグロステンマ、ヒメキンギョソウなど

ただし100%安心できないので、余分にポット苗を育て、
バックアップ体制をとります。


やってみました!
今年の直まきエリアはドンと17か所に拡大

花壇エリアの総数が72ケありますから、2割強が
直まきエリアとなります。

で、気になる結果ですが、
12月4日時点で、2ヶ所が不良、 残る15所がなんとか



 
育苗ハウスはポッまきト苗で満員。
悲しいことに、トータルで半数近くが失敗したと思います

自家採種の種はほとんどが発芽せず、購入した種も、再購入した種も発芽しなく、

泣いているヒマもなく、種を新たに購入することが当たり前になり、
挫折と挑戦のくり返しが続きました。


宿根草(多年草)と呼ばれるものも、夏の高温多湿で枯れ死が続出。

だからよけいに、種から育てる苗に期待も大きかったのです。



 
廃棄した種まき用培養土はトロ箱に3杯も。

イイ勉強になりました

来年から育苗方法を根本から変えます



 
 冬になっても育苗から解放されません。

苗が小さくて定植できないものは、縁側で日向ぼっこをして冬を越します。

ずいぶん沢山あります。

ということは、根気よく種まきをくり返した結果、
ようやく発芽にこぎつけたものが多い、という証でもあります。

心配なのは大寒波がきたら生き延びてくれるかどうか





 
 
未来のガーデナー

ジジイの涙姿を見て育っています。




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