写真がすくな
いので間に合
わせ。
左は半露天風
呂。右はシンク

擬似餌


屋根から落ちる雨水の排水対策を、急がねばならない。
小屋の基礎と同時に造らないと、小屋が建ってからでは工事がやりづらくな
ってしまう。
雨水を集めて流すU字溝を、ホ−ムセンタ−でいつものように、しつこい検分
を重ねた上、購入した。
数が十数個と多いので、仕方なく知人の力を借りて運びおろすことにした。
なにしろ駐車場から海辺まで落差が20mもある所だから、物の運搬がとて
もつらいのだ。
さて、どうにかU字溝を並べて敷設してみると全体に深すぎた。
ここは手抜きは許されない。U字溝を取り外し、最初からやり直しである。
また砂を運び込んで、底をかさ上げして調整しなければならない。
先回も、出来悪後輩を脅したり、なだめたりしながら土を掘って溝をこしらえ、
底に砂を敷き均したばかりである。
砂は底を均一にするために考えついた自信のグッドアイデアなのだが、もっと
も専門業者にしたらあたり前のことかも知れない。
肝心の砂は近くにないので、遠くの浜辺から無断で頂戴してきたもので、2馬
力のボ−トに砂運搬用のリトルボ−トを牽引しながら、時間をかけて海上輸送
したものである。
だから、たかが砂だけど確保するのに一苦労したわけで大切に使わなくてはな
らない。
深く掘りすぎた悔しさと、又砂を確保しなければならない苦労を思い返すと、何
事もする気にならず作業は後日に延ばすことにした

出来悪後輩を再び駆り立て、採砂運搬船の人になったのはそれから2週間後
のこと。
「釣り」をエサに誘いだすのも、そろそろ限界に近づいたかもしれない。
どうやら「擬似餌」らしいと悟ったみたいで、素直に反応しなくなった。

排水の勾配は、U字溝の下に敷く砂で調整する。
その砂の上に長くて真っ直ぐな板を置いて、空缶を静かに置いてみる。
予想どおり、空き缶はコロコロと水下に向かって迷うことなく転がっていく。
よし、これで勾配は完璧だ。
こうしたムズカシイ詰めは、すべてボク一人でこなしている。
少しでも頭を使う作業は後輩には向いてないし、単純肉体労働だけで精一杯の
彼には思考する余裕なんてとてもないのだ。
その力仕事も少しは工夫があってもよさそうなものだが、ただガムシャラにやる
だけで、直ぐにバテテしまう。
体を使うだけの単純作業もせいぜい半日が限度で、一日なんて続いたためしは
ない。

目の前にボラが、3段飛びで勢いよく海面を叩き付けている。
今回も釣りは、「おあずけ」かな。