釣りに行く前
の準備をして
いるところ。
いつでも

海釣りはキスに始まりキスに終わる。
これは何かの本で読んで、今では小生の釣りの拠り所になっ
ている。
ここは年中キスが釣れる本場、五ヶ所湾。
早春から晩秋にかけて、小さな仕立て船が波に浮かぶ。
最盛期には無数の船が交差し、そこかしこで釣り人の嬌声が
聞こえてくる。

ことに春から初夏にかけてと、晩秋の頃がサイズも満足できる
ものが上がり、釣り人を裏切ることはない。
夏はキスの活性は高いが、言わずと知れたカタが小さくなる。
数はよくあがるが、暑さガマンの勝負時季。

ここに来る楽しみの大なるものは当然釣りであるが、畑作りや
家の補修や、側溝のドブさらい、掃除などなど、やらなければ
ならないことがあり過ぎる。
根が貧乏性な為、ごちそうは後に楽しみは後に残すのである
が、これがよく災いを呼ぶ。
初日は絶好の釣り日和なのに、次の日は風が強くなり釣りを
断念することも、ままある。

それでも、こうして海をながめ木立のなかでひとときを過ごして
いると、それだけでも満足してしまう。
最近では、必殺必釣り必カタの小次郎型「突撃精神」を克服し
、武蔵型「いつでも待つわ」精神に踏み込もうとしている。

と、思い込んでいるのだが、釣りは所詮ガキの精神構造。
人だかりのする釣り場を目撃すると、いてもたってもおれない
のは、以前と少しも変らない。
理屈を言ってみても、たんなる体力が衰えただけなんだろう
か。

待てども、待てども魚の食らう気配さえなし。…